Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

いかにも宗方善五郎と拙者との関係、詳しく話そう」

有峰杉之助は、ようやく打ち明ける気になった様子です。

その話はかなり込み入ったものですが、簡単に言うと、宗方、有峰両人とも、さる中国の大藩に仕え、小禄ながら安らかに暮しておりましたが、御蔵番になった宗方善五郎は、金銭上のことに不正があり、若い同役の有峰松次郎――杉之助の弟に難詰されて返答に窮し、松次郎を斬って本国を立退いたのは、もはや十年も昔のことです。

弟を失った杉之助は、武家としての生活に疑懼を生じ、そのまま禄を捨てて浪人し、宗方善五郎の隠れ住む江戸に来て、同じ町内の手習師匠などをして、なんとなしに五六年を過しました。

「申すまでもなく、弟御さんの仇を討つ心算で同じ町内に住んだのでしょうね、旦那」

平次はたまり兼ねて口を容れました。

「いや、それは町人の一応の考えだ」

「と申すと」

「弟の敵や子の敵を討つのは、武士の作法にないことだ」

「ヘエ――」

平次もそれは気の付かない事ではなかったのですが、卑属親の敵――例えば子の敵、弟の敵などを討つのは、武士としては悉く恥じたもので、どの藩もそんなものには決して助力も、便宜も与えないばかりでなく、それは私怨として取扱われ、目的は遂げても刑罰は免れることが出来なかったのです。