Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
擬い唐桟の袖口が綻びて、山の入った帯、少し延びた不精髯――叔母さんが見たら、さぞ悲しがるだろうと思う風体でした。
「姐御だけは止して下さいよ。お静とか何とか、言いようがあるのに――」
幾つになっても、初々しさを失わないお静は、姐御――と言われると、ゾッと身を顫わせる質の女だったのです。
「ところで用事というのはどんなことです」
八五郎は取散らした自分の二階へ案内するよりはと思った様子で、狭い店先に踞みました。
「他でもないけれど――」
お静は両国でツイ今見て来たことを一と通り話して、
「――お染ちゃんが可哀想だから何とかしてやって下さい。あの人は正直で、素直でそりゃ心掛けの良い人だから、人なんか殺せるはずはないし、それに、多勢の中にいる私を見付けて、一生懸命でそう言うんだから」
一生懸命に説き進むお静を、ガラッ八は少し持て余し気味に押えました。
「よくわかりましたよ。何とかしてやりたいが、――石原の親分が達者なうちならともかくも、近頃では四ツ目の銅八が羽を伸ばして、銭形の親分を眼の敵にしているから、親分の留守にうっかり本所あたりへ乗込むと、どんなことになるか解らない――」