Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「表は?」
「お六婆アはうんと溜めているから、戸締りだけは馬鹿に丁寧だ。表の戸はけさ死骸を見付けた時、お勝手口から入った金五郎が、内から輪鍵を外して開けたに違いないと、自分でも言ってるんだから世話アない」
「ところで、金は盗られなかったのかな」
平次はいちばん重要なことに触れました。
「お六婆アの家に一文もないところを見ると、下手人は婆アを殺して金を盗ったんだろう。お六婆アが肌身離さず持っている名代の大財布もないし、手文庫には証文だけ。火鉢の引出しの小銭まで無くなっている。恐ろしく行届いた奴だ」
「お六婆アは本当に金を持っていたんだろうか」
「三十年後家を通して、烏婆アとか何とか言われながら、溜めたんだから、三十両や五十両じゃあるまいと思うが、天井裏も床下も、糠味噌の瓶の中まで見たがないよ」
「六軒長屋の家捜しは?」
「手ぬかりなくやったが、金を持っているのは、按摩の佐の市だけ、それも五両か八両だ。あとはお美乃が叔母さんから借りて来た小銭の外には、百と纏まったものを持ってる家もないんだ。恐ろしく不景気な長屋だぜ」
「なるほど、面白そうだな。――大した役にも立つまいが、とにかく行ってみよう。