Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

二十三歳の強健で正気な男を、命に別条のないように一と月も監禁しておくということは江戸の街中では容易のことではありませんが、早桶に押込んで船の中に据え、関東の川筋を漕ぎ廻っている分には随分人眼を誤魔化せないこともなかったでしょう。

「ところで、文七の船は帰っているのか」

「船はいつの間にか空っぽになって、川岸っぷちに繋いでありますよ。だからお神さんが納まらないんで、――幸い鳥越のお百の家を知らないからいいが、あの穴が解った日には出刃庖丁騒ぎだ」

近所の衆の暗示に富んだ言葉を手繰って平次と八五郎は鳥越のお百の家というのに行ってみると、四十男の文七は、七日ぶっ通しに呑んで、性も他愛もなく酔いつぶれているのです。

お百を呼出して訊くと、文七は余程金を持っているらしいという。いずれ早桶を船に積んで十七八日も漕ぎ廻ったお礼でしょう。この上は文七の口を開かせる外はありません。

水をブッ掛けて、どやし付けながら訊くと、

「――どこの侍だか知るものか。ともかく、二人で気の違った若い武家をつれて来て、ほんの二十日ばかり陸へ上げないようにしてくれというんで。お礼は一日一両さ。