Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
平次は仰向けに寝たまま、面白そうに笑っております。
「ね、親分、ひらめという字を知っていますか」
「ひらめやかれいに付き合いはないよ。鰻という字と、鯨という字なら看板で見て知ってるが、それでも間に合わせるわけには行かねエのか」
「ひらめですよ、親分。――日比魚と三字でひらめと読むか読まないかてんで、大変な騒ぎですよ」
「フーン」
平次は一向気の乗らない様子です。
「町内の手習師匠に訊くと、ひらめを四角な字で書くと比目魚となる。魚扁に平でひらめだが、日比魚と書いてひらめとは読まない――とこうなんで」
「それで解ってるじゃないか、俺の学なんか引合いに出すことがあるものか。魚扁に平はひらめさ、魚扁に丸くて長いのはどじょうで、魚扁に骨張っているのはほうぼう、物事はみんな理詰めだ」
「ところで遺言には日比魚と書いてあるんで。これは聖堂へ持って行ったって読めないから不思議じゃありませんか。これが読めると、何万両という金になるんだが――」
「大層な事を言うじゃないか、日比魚が何万両になるという話をもっと詳しく話してみるがいい」
平次もとうとう坐り直しました。ガラッ八の話術は近頃は一段と冴えて、とかく不精になりがちな平次を事件の真ん中に誘い込むコツを心得ているのです。