Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「諦めることだ、――俺は町方の岡っ引だから、武家方のことは手のつけようがない。これが商人の家なら、踏込んで親類会議を延ばさせる手もあるが――」
「…………」
妙に沈んだ心持を、お互にどうすることも出来ません。
「隠した場所はやはり、屋敷の近くだな――」
平次は最初の猪口を嘗めて、腕を拱きました。
「まだそんなことを考えているんですか親分」
「考える気もないが、――忘れないよ」
「無理もないが、忘れることにしましょうよ、親分」
「だが、待ってくれ。ね爺さん、あの屋敷の中に、滅多に召使の者の入らない蔵か物置がなかったかい」
平次の叡智は、活溌に動き始めたのです。
「ありますよ。小さい宝物蔵で、奉公人は足も踏み入れませんが、この間から御用人の堀様とそのお配偶のお滝さんがちょくちょく入るようで――」
「それだよ」
平次は立ち上がりました。
「親分、何がそれなんで?」
八五郎は手酌で二三杯つづけざまに呷っております。
「でも、あの宝物蔵へ若様を隠したら、食物をどうして運んだのでしょう」
と友吉。
「それで俺も迷ったんだ、死にも生きもしないようにしておく分には、そんなに沢山の食物が要るはずはない、――もう迷うことはないよ。