Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
と文六。
「おや、――盆栽があるね」
平次は障子を開けると、庭の盆栽棚を眺めております。こんな緊張した空気の中でも、しばらくは好きな道を思い出して、フト眼の保養をする気になったのでしょう。
「お好きなのは先代の総兵衛旦那様でございました。二年前先代様が亡くなられてからは誰も世話をいたしませんので、あの通り荒れ放題でございます」
「なるほどな、楓林が雑草畑になって、槙柏は伸び放題、――まるで箒だ。おやおや惜しい松を枯らしているね、二三百年も経った樹だろうが」
平次は自分のことのように眉を顰めました。が、フト思い出したように、
「白紙の手紙が十二本も来たそうだが、どこかに二本でも三本でもないだろうか」
こんなことを訊くのでした。
「御主人の手箱に十本くらいありますが、ひどく汚れておりますよ」
「どれ、見せて貰おうか」
「ヘエ、これでございます」
文六の持って来たのを見ると、同じ封筒、同じ文字の手紙が十本。比べて見ると、下手ながら恐ろしいほどよく似た字で、十本が十本、判こで捺したように、一点一画の違いもなく、点の距離、棒の長さまで、全く同一です。
「ひどく下手な字だが、形と崩し方だけは本当だね」