Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「親分、これですか」
「そうだ。この紙と筆と硯と、封筒と、あ、もう一つ、字を書いた古封筒があったはずだ、――本銀町浅田屋徳次郎殿――と」
「ありましたよ、親分」
「それだよ。その封筒を透き写して、十二枚も封筒を書いたんだ。恐ろしく下手なくせに、字配りと崩し方が本当だと思ったのはそのためさ」
と平次。
「十二枚の封筒が一分一厘の違いもなく同じ字だったのは透き写したせいですね」
ガラッ八も開いた口が塞がりません。
「さア、お道、このうえ言い分はあるまい。何の怨みでお前は白紙の手紙を十二本も主人に出したんだ」
お道は黙って俯きます。金輪際物を言うまいとしている様子――女が一番反抗的になった態度です。
「言わなきゃいい。その代りお前には主殺しの疑いがかかるよ」
「とんでもない親分」
お道は顔を挙げました。サッと恐怖がその眼を横ぎります。
「言うか」
「言いますよ、私は親の敵を討ちたかったんです」
「親の敵?」
「私の親は、二年前に自害した、番頭の利八郎ですもの」
「何?」
平次も驚きました、こればかりは想像しなかったのです。
泣きながらのお道の話を聴くと、番頭の利八郎は若い時放埒で、隣町の師匠に隠し子をこしらえ、だいぶ金を注ぎ込みましたが、厳格な主人を憚ってツイそれを打明け兼ねているうち、師匠は死んで娘のお道は孤児になり、千葉の知合い