Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

大鳥氏が揺り起すと、お豊はやっと目を覚して、キョロキョロあたりを見廻している。

「不二子は? 不二子は大丈夫か」

「ヘエ、お嬢さまでございますか」乳母は寝ぼけ声で答える。

「お嬢さまなら、次の間におやすみでございますよ。ホラ、ごらんなさいまし、ああして、よくおよってございます」

お豊が指さすのを見ると、開け放ったドアの向うのベッドの中に、不二子の寝姿が見える。アア、やっぱり不二子には別状なかったのかと、大鳥氏はホッと安堵した。

「マア、わたくし、居眠りをしていたのでございましょうか」

お豊はやっとそれに気づいた様に、頓狂な調子で云った。

「そうだよ。お前にも似合わぬことではないか。お前、あの黄金仮面の賊が、この部屋に忍び込んだのを、何も知らないでいたのだね」

「エッ、何でございますって? あの化け物がこの部屋に。それは本当のことでございますか」

乳母は容易にそれが信じられぬ体だ。いや乳母のお豊ならずとも、誰がこの不思議を信じることが出来よう。窓は皆中から締りがしてある上に、その外には頑丈な鉄格子がはまっている。見る所、どの窓にも別段異状はないのだ。又唯一の入口のドアには鍵をかけ、青山が見張りをしていた。