Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
世間の為にあなたの恋を捨てるのが、正しいことだと悟る時が来ます」
明智はやさしい口調で、駄々子をあやす様に云ったまま、黙り込んでしまった。
不二子は益々不安になって来た。明智が怖くなった。この男の落ちつき払った自信力に何とも云えぬ圧迫を感じた。
若しや私は、あの人を裏切る様になるのではあるまいか。みんなから「白状せよ、白状せよ」と問いつめられた時、私はあくまで口を閉じている勇気があるかしら。今度はもう、お父さまや家の人ばかりではない。いずれは警察や裁判所へ呼び出されて、恐ろしい人々に責め問われるのであろう。
怖い顔をした刑事達に、柱にしばりつけられ、コチョコチョコチョコチョと、執拗にわきの下を擽られている、あさましい我身の姿が、幻の様に浮んで来る。
アア、もう駄目だ。私は白状するに極っている。どうしよう、どうしよう。恋人を牢屋に入れる位なら、その上、あの人と永久に別れてしまう位なら、いっそのこと。そうだ。いっそのこと……
丁度その時、不二子の惨憺たる懊悩も知らぬげに、明智は何を思いついたのか、実に突拍子もない質問を発した。
「あなた、フランス語はお出来になりますか」