Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、彼は果して不二子の敵であったか。イヤイヤ決して敵ではなかった。実に驚くべきことには、その運転手は、敵どころか、味方も味方、彼女の恋人、黄金仮面であったのだ。

今までは鳥打帽をまぶかく外套の襟を立てて、後頭部を隠していたので、少しもそれと気づかなかったけれど、ヒョイと振返ったその顔は、まぎれもない黄金仮面、ギラギラ光る金色のお能面が、例の三日月型の唇で、ニヤリと笑ったのだ。

奇蹟だ。彼がいつの間に、本物の運転手を追い出して、この自動車に乗っていたのか。どう考えても不可能なことだ。あの部屋の窓から飛び出して、この自動車の停っていた場所へ来るのには、是非とも見通しの庭を通らねばならぬ。明智はそこを見張っていた。庭には誰もいなかったのだ。

流石の明智も、余りの不意うちにど胆を抜かれた体である。併し、意外も意外だが、今はそれどころではない。このさし迫った危地を、如何にして脱すべきかが問題だ。

というのは、黄金仮面は不二子から奪ったピストルを、そのまま明智にさしつけて、今にも発射しようと身構えているからである。

主客の地位が一瞬にして顛倒した。攻めていた明智が攻められるのだ。