Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
三人のお巡りさんが一斉にあとを追った。すさまじい大立廻り。見物席は大喝采、哄笑爆笑の渦巻で湧き返る様だ。
到頭大変なことが始まった。追いつめられた黄金仮面は、金色の衣裳を焔の様にひるがえして舞台から見物席へ飛降りた。
「やっぱりそうだ。やっぱりあいつだ」
例の敏感な見物の一人が、真青になって思わず呟いた。だが、見物席全体の哄笑は一層ひどくなった。この役者達のずば抜けた悪ふざけが、彼等の御気に召したのだ。
怪物は椅子と椅子との間の細い通路を正面に向って走り出した。お巡りさん達も舞台を飛び降りて彼のあとを追った。
「捉えてくれ。そいつが曲者だ。そいつが本当の曲者だ」
お巡りさんの真に迫った悲痛な叫び声。だが、見物の笑いは止まらぬ。
「やれ、やれ、しっかりやれ」
弥次馬が面白がって、頓狂な声で怒鳴る。
人々は、この奇妙な追っかけは、見物席を一廻りして、又舞台に戻るものと信じ切っていた。だが、怪物はどこまでも真直ぐに走って行く。
監督席の前を通り過ぎた。その席には二名の警官が、見物と一緒になって笑いこけている。
「君、そいつを逃がすな。オイ、馬鹿ッ、間抜けッ、何をボンヤリしているんだ」