Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
ルパンはさも自信ありげに、せせら笑った。
× × ×
ドアの外の刑事達は、中の人達が、いつまでたっても出て来ないので、不審を抱き始めた。ドアに耳を当てて見ると、さい前まで微かに聞えていた話声もパッタリやんで、しいんと静まり返っている。変だ。
「波越さん。波越さん」
「総監閣下」
彼等は口々に呼びながら、ドアを叩いた。だが、何の返事もない。
「変だぜ。開けて見ようじゃないか」
誰かが云うと、一同同意したので、手近かの一人が、ソッとドアを開いて、その隙間から中を覗き込んだ。
「アラッ、これはおかしい。誰もいやしないぜ」
「いないって? 一人もか?」
「猫の子一匹いやしない」
そこで、一同ドヤドヤと室に入り込み、黒天鵞絨の垂れ幕や絨毯をとり去って、壁や床を叩き廻って調べたが、どこにも秘密の出入口などはなかった。黒檀の大時計の中にも、秘密戸の仕掛けはない。廊下に面したガラス窓は閉じたままだし、その外には、刑事のある者が、今の今まで立っていたのだ。
警視総監と、波越警部と、明智小五郎と、ルージェール伯と、浦瀬秘書官の死骸と、刑事達が知っている丈けでも五人の人物が、密閉された、どこに隠し戸もない部屋の中で、煙の様に蒸発してしまったのだ。