Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
それが偶然喜劇の筋書と一致したのである。
舞台とお芝居の重複、一体全体何がどうしたのか、舞台監督も、役者も、道具方も、見物達も、思考力が滅茶苦茶にこんぐらかって、余りのことに開いた口がふさがらぬ有様だ。
これは後に分ったことだが、読者諸君の為に附加えて置くと、騒ぎが一段落ついたあとで、所管警察の署長が興行主を呼んで、黄金仮面に扮した役者の身元を聞訊し、その住居に手入れをした所が、意外にも当の役者は、その日一日家にとじこもっていて、一歩も外へは出なかったとの答えだ。
どうして芝居を休んだのかと尋ねると、
「どうも相済みません。慾に目がくれましてね。見も知らぬ紳士でしたが、早朝私を訪ねて参りまして、今日一日外出しないという約束で、五十円現なまを貰ったのです。誠に申訳ありません」
という次第だ。つまり黄金仮面はその役者にばけて、朝から博覧会の演芸場の楽屋に納っていたのだ。貴賓御巡覧の為に場内がひっそりするのを待って、楽屋口を抜け出し、四人の看守に麻酔薬を呑ませて置いて、真珠陳列場へ忍込んだ。そして、何食わぬ顔で、又元の楽屋へ引返し、喜劇「黄金仮面」の主役を演じさえしたのだ。