Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
赤い窓、黒い垂れ幕、黒檀の大時計、すっかり同じです」
刑事の一人が、けげんらしく呟く。
「それだ。それがこの大からくりの巧みな罠です。これと全く同じ部屋が、我々の足の下にもう一つ出来ているのです。つまりエレベーターの箱を二つ繋いだ形で、全然同じ飾りつけの部屋が二つ拵えてあったのです」
明智が説明をする。
調べて見るまでもなく、舞踏の客達がこの二重の部屋を目撃していて、口々に申立てた。
アア、何という大袈裟な機械仕掛であったろう。犯罪史上前例もないトリックだ。イヤ、たった一つ丈け前例がある。それはルパンの先輩に当る仏蘭西の大盗賊、ジゴマと共に世界にその名をうたわれた、かのファントマの考案した大からくりだ。
ある部屋で人が殺されていた。池と流れた夥しい血潮の中に絶命していた。それを発見した人物が、人々に告げる為に立去ったほんの一瞬間の隙に、被害者の死体が消失せてしまった。死体ばかりではない。あの夥しい血潮まであとかたもなく消え去ってしまった。この大奇怪事に当時の巴里警視庁はひどく悩まされたものだが、それがやっぱり二重の部屋のエレベーター仕掛けであった。