Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
その人が命にかけて大切にしていた品物は、恐らく美術蒐集狂のルパンが、垂涎おく能わざるものであったのでしょう」
明智の組立てた筋書きは、全然空想の所産であった。併し、空想とは云え、理路整然、誠にさもあり相な筋書きだ。少くとも、一座の人々が持出した様々の想像説に比べて、数段立勝ったものであることは、否み得なかった。
「で、あとはただ試してみるばかりです。僕の想像説が当っているかどうかを、実地について試して見ればよいのです。
そこで、この紙片の数字と渦巻に意味が生じて来ます。これは賊が川村氏の秘密をかぎつけて、その隠し場所のキイを、心覚えに書きつけて置いたものと仮定するのです。そして、この仮定が当っているかどうかを、試して見るのです」
試して見ると云いながら、明智は已に動かし難い確信を持っている様に見えた。
「僕はさい前から、この部屋のあらゆる部分を、入念に研究しました。そして、暗号の数字と一致するものは、あの暖炉のマントルピースのまわりに刻んである、飾りの玉の外にないことを確めました。アトリエに備えつけた暖炉にしては、あの飾りは不相応に立派です。それが先ず僕の注意を惹いたのですよ。