Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
それを見ると、一座の人々は、すわとばかり立上って、ドヤドヤとその密室の前に群がり寄った。
中は三坪程の四角な小部屋になっている。
「やっぱりそうだ。何もない、空っぽだ」
波越警部が呟く。
明智の想像は次から次と当って行く。密室の中の品物は、恐らくルパン一味のものが盗み去ったのだ。
明智は暗室の中へ首を突込んで、暫く検べていたが、やがて、何か小さなものを指先でつまみ上げた。
「イヤ、空っぽじゃない。こんなものが落ちていた」
手の平にのせて差出すのを見ると、五分にも足らぬ長橢円形の、扁平なピカピカ光ったものだ。金属ではない。布でもない。紙でもない。えたいの知れぬ物質だ。だが、そんなものに何か意味があるのかしら。
明智は、窓際の明るい所へ行って、それを光にかざす様にして、入念に調べていたが、何を気づいたのか、愕然として、日頃の彼に似げなき厳粛な表情で呟いた。
「本当かしら。信じられぬ。だが……アア恐ろしいことだ」
その様子が余り異様に見えたので、波越警部は思わず彼の側に立寄って、声をかけないではいられなかった。
「オイ、明智君、どうしたのだ。何か分ったのか」