Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
木の間越しに見上げると、闇の中の巨人は、悪夢の様に空一杯に拡がって、物の怪の如く押し黙っている。夜の大仏の物凄さ。
「だが、どうして君は……」
波越警部は、余りにも奇怪な事実を、容易に信じ得ぬ様子であった。
「もう大分以前からこの林の中に黄金仮面が出没するという噂があったのだ。近頃は関東地方一帯、そこにもここにも黄金仮面の怪談が転がっている。子供達がおもちゃの黄金仮面を被って飛び廻っている。誰も殊更らこの丘の怪談を注意するものはなかった。だが僕はその怪談を聞きのがさなかったのだ。なぜと云って、この丘にはコンクリートの大仏が聳えていることを知っていたからだ。僕は我ながら、余りに奇怪な着想に震え上った。だが、ルパンは世界一の魔術師だ。その着想が信じ難ければ、信じ難い程、却ってそれが事の真相に触れているのだ。僕はそこで、殆んど一昼夜、この丘の林の中をさまよった。そして、とうとう奴の尻尾を掴んだ」
「ルパンを見たのか」
波越氏がドキドキしながら尋ねた。
「ルパンではなかった。だが明かにルパンの部下と覚しき男が、這入るのを見た。賊等はみんなが黄金仮面の扮装しているのだ。