Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

やがて一際高まる歓呼の声と共に、飛行機は、平坦な滑走路を、ユラユラと左右に揺れながら少しばかり走ったかと思うと、夢の様に、もう空中に浮んでいた。鳴りもやまぬ万歳の声、飛行機を追って「ワアッ」とばかり津波の様に押しよせる群衆。

と、不思議なことが起った。一路北方に向うものとばかり思っていた群衆の頭上を、シャプラン氏の飛行機は、低く旋回し始めたではないか。

名残りを惜しむ意味かしら、それとも機関に故障でも起ったのではあるまいかと、群衆は鳴りをひそめて、空を仰いだ。

少し高い樹木には、ぶっつかりはしないかと危まれる程、低く飛んでいるので、操縦席のシャプラン氏の姿なども、手にとる様に眺められる。

とみると、これはどうしたことだ。シャプラン氏の顔が金色に光っている。いや顔ばかりではない、全身がまばゆい金色に包まれているではないか。折から雲を離れた朝日が、それに映えて、飛行家の全身が黄金仏の様に、キラキラと輝き渡った。

「黄金仮面――、黄金仮面」

群衆の間に奇怪なる呟きが起り、瞬く内に空中の悪魔を罵る怒号と変って行った。シャプラン氏はいつの間にか、あの恐ろしい黄金仮面と形相を変えていたのだ。