Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
思うは、遠き異境に遊学中の背の君千秋さんの上である。千秋さんは、侯爵の亡き実妹が残して行った、けだかき孤児、近く英京の遊学を終えて帰朝の上は、美子姫と結婚式を上げることに内定しているのだ。
眼に浮ぶは、いつかあちらから送って来た、千秋さんのクリケット遊戯の勇ましい姿、続いて同じ大学の有名なボートレースのこと、そして、かぐわしき洋酒と西洋煙草の香り漂う、漠然たるヨーロッパ大陸の聯想。
それにつけても心に懸るは、今日、父侯爵の古美術蒐集品を観賞する為に、東京から遙々自動車を飛ばして、御出で遊ばすという、F国大使ルージェール伯爵様のこと。西洋のお方、しかも大使という様な要職にあるお方をおとりもちするのは始めての経験だ。妙なことをして笑われてはいけない。だが、もっと心配なことが外にある。というのは、あのいまわしい黄金仮面の怪賊が、この二三日、邸の近くを徘徊するという噂。いや噂どころではない。現に附近の村の百姓達が三人まで、森の中であのゾッとする無表情な黄金の顔を見たとさえ云うではないか。
すぐ目の下の塀の外にうろうろしている背広服の男。あれは警察からよこしてくれた私服刑事達だ。