Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
どうしましょう。どうしましょう」
「マア、小雪、どうおしなの」
「わたくし、今、御部屋に生ける花を探しに、築山の奥の方へ参りましたの」
「エエ、それで」
「あの小暗い森の中を、何気なく見たのでございます」
「エエ」
「すると、お嬢さま」小雪は震え声で、囁く様に「私見ましたの。アレを……」
「金色の……」
姫はゾッとして思わず立上った。
「黄金仮面……」
「お前、本当に御覧なの」
「エエ、森の茂みの奥から、あの、三日月型の口で笑っている様に見えたのでございますの」
「で、お父さまに申上げて?」
「御前さまにも、警視庁のお方にも申上げました。今警視庁の方々が、築山のうしろを検べてお出でなさいます」
心臓のしびれてしまう様な恐怖に、二人はおびえ切った目と目を見合わせて、黙り反っていたが、やがて姫が独言の様に呟く。
「一体そのものは、ここで何をしようと企らんでいるのでしょう。盗みでしょうか、それとも、もっと外に何か恐ろしい目的があるのではないでしょうか」
気の毒な美子姫は、怪物黄金仮面と彼女自身の運命とが、恐ろしいつながりを持っていようなどとは知る由もなく、ただ漠然とした恐怖に、唇の色を失って、打震えるばかりであった。