Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
若しやそれが、生きた人間の腕の様に生温く、柔いのではないかと考えたからだ。
「アハハハ……」ルージェール伯は、侯爵の心持を察して笑い出した。「では、『金の仮面』と云われている盗賊は、まだ捕縛されないのですね。恐らくその賊は、この仏像みたいな顔をしているのでしょう。キッとそうでしょうね、侯爵」
侯爵は大使の言葉に、臆病過ぎた所業が極り悪く、ソッと手を引いた。
その時である。突如として、美子姫の口からほとばしった、絹を裂く様な悲鳴。人々は不意をつかれて、飛び上った。姫の飛び出す程見開かれた両眼が、鍍金仏の背後の小窓に、釘着けになって、顔色は紙の様に白く、今にも卒倒せんばかりである。
見るとその小窓に奇怪な人間の顔。咄嗟にヒョイと隠れてしまったが、確かに何者かが大使の一行を覗いていた。しかも全く見覚えのない異様の人物、邸内の召使でもなければ、警戒中の刑事でもない。
侯爵はいきなり小窓へ飛んで行って、ガラス戸を開いた。
軒下を辷る様に逃げて行く人影。背の高い、髪を女の子の様に長髪にして、黒木綿の紋つきに、黒セルの袴をはいた、何とも形容の出来ない変てこな姿である。