Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

ではないかと、胆を消す程におびえていた。無表情な黄金仮面という、何か人造人間めいた、一種異様の凄味が、幽霊などを信じない現代人を怖がらせた。

これまでの所、この怪物はただ何かの凶兆の様に諸所に姿を現わすのみで、別に害をする訳ではない。鍍金仏の様な凄味を別にしたら、張りぼての広告人形と選ぶ所はない。で、警察は、この風評を知らぬではなかったけれど、迂闊に手出しをして、赤坊の泣き声が食用蛙だった様な、物笑いの種になることを虞れ、鳴りを鎮めてなり行きを見ていた。

だが、黄金仮面は不良少年の悪戯やなんかでなかったことが、やがて分る時が来た。四月に這入って間もなくのある日、突如として、このえたいの知れぬ幽霊男は、一箇の大胆無謀なる犯罪者として、東京市民の前に現われたのだ。しかも、犯罪の場所、目的物、犯罪手段、逃走の手際、何から何まで、人の意表に出で、嘗つて何人も想像しなかった様な、途方もない離れ業を演じた。その余りの大胆、余りの突飛さの内に、何かしら不気味な、訳の分らぬ所があった。血の通った人間ではない。無情の金属製自動人形といった、実に変てこな感じを伴っていた。