Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

「君が自分で入れた麻酔剤で睡りこけてしまう前に、湯殿へ忍び込む時間があった。ということになります」

「つまり、私が令嬢の下手人だとおっしゃるのでしょうか。で、何か証拠でも」

木場は平気で云ってのけた。

「オイ、君は、まだ、証拠が発見されないと高を括っているのかね。ソリャ駄目だ。先ず第一の証拠は君の朴歯の下駄だ。この邸には朴歯の下駄を穿いているものは一人もない。ところが、湯殿の窓の外の足跡は、君の朴歯とシックリ当てはまるのだ」

長髪の男は、何の抗弁もしなかった。そればかりか、こののっぴきならぬ証拠に、ひどく驚いている様にさえ見えた。

「それ丈けではない。もっと確かな証拠がある」波越氏はここぞと居丈高になって、「これを見るがいい。この金色のおもちゃは、君の行李の中から発見されたのだ」

警部の手にあるのは、金色の仮面と、金色のマントである。怪賊黄金仮面の衣裳だ。すると、先日来、世の中を騒がせていた怪物はこの男であったのか。

木場は、それを見ると、又一層驚きを増した体であったが、暫らく無言で考え込んでいたのち、

「アア、仕方がない」

と嘆息を漏らしながら、つと波越警部の耳元に口を寄せて、何か一言囁いた。