Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
「三分ですって? そいつは少し長すぎますね。三分どころか、一分、イヤ三十秒で充分です」
明智の小気味よい竹箆返しだ。
「君、冗談を云っている場合ではないぜ」
友人の波越警部が、少々心配になって、小声で注意した。僅か三十秒の間に、あの兇賊黄金仮面を逮捕しようなんて、神様にだって出来ないことだ。
「閣下、令嬢づきの召使をここへ御呼び下さいませんでしょうか」
明智は波越氏の注意を黙殺して、鷲尾侯爵に声をかけた。
「小雪に何か御用ですか。あの女には訊す丈けは訊して、もう聞くこともないと思うが」
侯爵は明智の力量を危んでいる。三十秒などという手品師めいた断言が、少し癪にも触ったのだ。
「私は犯人を御引渡しする約束をしました。それについて是非必要なのです」
「では……」と侯爵は、不精不承に傍の書生に小雪を呼んで来る様に命じた。
やがて、友達の様に懐しんでいた美子姫の惨死に、悲歎の余り目を泣きはらした、小間使の小雪が這入って来た。美しい顔が涙に洗われて、異様な魅力をたたえている。
「明智さん、この小間使を問い訊して、それから犯人を探すのじゃあ、三十秒は、ちと無理ですぜ。ホラ、そういう内に、三十秒は過ぎてしまった」