Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

不可能なことだ。

「アア、僕はあの小娘を軽蔑し過ぎていた。何という恐ろしい智恵だろう。諸君、まだ失望することはありません。船頭さん、この舟をさっきの岬の所へ帰してくれ給え。大急ぎだ」

立騒ぐ人々を制して、明智が叫んだ。

主なきモーターボートは、漁船の船尾につながれた。それを曳舟にして、元来た方角へフルスピードだ。警察署長を初め誰も名案はないのだから、明智の提議は無言の内に採用せられた。

「君の考えは、まさかあの岬の蔭から犯人が上陸したと云うのではあるまいね」

進行中の舟の中で、波越警部が念を押す様に尋ねた。

「無論、そんなことは不可能だ」

「すると?」

「たった一つ、残された方法がある。だがあの小娘の考えつけることではない。といって、外にこの不思議な消失を解くすべはないのだから、どんなに不自然に見えようとも、やっぱりその方法を採ったと考えなければならぬ。……君、これは恐らく、あの娘一人の智恵ではないぜ。美術館の鉄格子を破った手並みといい、確かに共犯者がある。そいつの入智恵で、か弱い小娘がこんな大胆な離れ業をやってのけたのだ」

「共犯者だって? 君は心当りでもあるのかい」