Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
君はその死骸を探しているのですか」
署長が又しても半畳を入れる。
水面一杯に繁茂した水草の葉の外に、その辺は丁度ゴミの流れ寄る箇所と見えて、藁屑などが一面に漂っている。投身するには浅過ぎるし、仮令死体が沈んでいても、この水草とゴミに濁った水中では、迚も上から見通せるものではない。
「よし、舟を止めて。……誰か薄い紙をお持ちではありませんか」
明智が妙なことを云い出した。
刑事の一人が極く薄い鼻紙を取り出して、明智に渡すと、彼はそれを細く裂いて、舷にかがみ、水面近く持って行く。まさか鼻紙で魚釣りをする訳ではあるまい。
「君、それは一体何の禁厭だね」
余りの不思議さに、波越警部までが、からかい始めた。
「静かに、静かに、今、妙な実験をしてお目にかけるのだから」
明智は生真面目な様子で、細長い鼻紙をヘラヘラと水面に近づけて行く。
人々は、この途方もない明智の仕草に、却って圧倒された形で、黙り込んで、同じ水面を覗き込んだ。
「ホラ見給え、水草の間に、細い竹切れが首を出しているだろう。こいつがどう云う反応を示すか。うまく行ったらお慰みだ」
云いながら、明智は紙切れを、その竹の切口の真上へ近づけた。