Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

余りにもいぶかしき突然の死であった。

「どうしたんだろう。大分落ちついていると思ったのに、何だか変だね」

波越警部が先ず不審を打った。

人々は、うしろから、何かが襲いかかって来る様な、名状し難き不安の中に、言葉もなく哀れな少女の死体を眺めていた。

「アッ、血だ。血が流れている」

誰かが叫んだ。

見ると、グッタリとなった小雪の背中から、舟底へと、真赤な液体がにじむ様に流れ出している。

明智は一刑事の手を借りて、死体を引起した。

「誰だ。誰が小雪を殺したのだ」

二三人が同時に叫んだ。

殆んど有り得ないことが起ったのだ。小雪は殺されている。背中の心臓と覚しきあたりに、柄まで通ったジャックナイフ。その傷口からは、ぬれた着物を通してボトボトと血が垂れている。

水中から引上げた時には、無論そんなナイフなぞ突刺ってはいなかった。舟の中に横たえてからの、僅々十数分間に、何者とも知れず、魔法使の様な人殺しをやってのけたのだ。

だが、舟の上には、皆素性の知れた人々ばかりだ。四人の警察官、明智小五郎、それから舟の持主の漁師。その内の誰が、そしていつの間に、何の遺恨があって、小雪を殺さなければならなかったのだ。