Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
波越警部を先頭に、一同ドヤドヤとそこへ踏み込んで行った。と、足音に驚いて見上げる賊と、先頭の波越氏とが、一二尺の近さで、ヒョイと顔を合わせた。
「アノ、ちょっくら御尋ね致しますが、ここに待ってれば日光行きの乗合が来ますだかね」
賊とばかり思い込んでいた男が、さもさも間抜けた口調で、警部に話しかけた。
違う違う。着物は同じだが、顔がまるで違っている。正真正銘の田舎者だ。
追手の一同アッと云ったまま、あいた口が塞がらぬ。
だが、どう見直しても、着物といい、頬冠りの手拭といい、賊のものに相違ない。
尋ねて見ると、何のことだ。賊は舟から上ると、丁度そこを通りかかった旅人を、山の茂みの中へ連れ込み、腹巻の中へ忍ばせていた金時計をお礼に、うまい口実を設けて、服装をそっくり取換えて貰い、旅人とは反対の方角へ走り去った。ということであった。
「別に悪気があってしたんじゃねえだから、どうか勘弁してやって下せえまし。何だったら、この金時計はお返し申しますだで」
田舎親爺は、警察の人々と分ると、青くなって、ペコペコおじぎをした。
アア分った。明智小五郎はこの憂目を見るのがいやさに、腹痛を起したのだ。