Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

の事件について、頼みの筋があって、やって来たということであった。

黄金仮面と聞くと、聊か迷惑そうにしていた明智の顔が俄かに緊張した。

「詳しくお話し下さい。先ず第一に、警察をさし置いて、なぜ私に御依頼なさるのか、何か特別の理由でもおありになるのですか」

「それでございます。実は大鳥家にとりまして、甚だ外聞を憚る儀が出来致しましたので、実にはや、何とも彼とも申上げ様のない事件で」

老人はデスクを挟んで、明智と向き合って腰を卸した。

こいつは面白そうだわい。と思うあとから、ふと変梃な疑問が湧上って来た。危険危険、大鳥家の執事なんて真赤な嘘で、この老人こそ当の黄金仮面の廻し者ではあるまいか。先日賊がモーターボートの中へ残して行った置手紙には「この次はお前の番だぞ」と書いてあった。明智が賊にとって、非常な邪魔者であることは云うまでもない。紹介状の偽造なんて造作もないことだ。ひょっとすると、うまく云って、彼をおびき出し、危害は加えぬまでも、この事件に手出しが出来ぬ様、自由を奪ってしまう計略でないとは云えぬ。

それに気づくと、明智はいきなり鉛筆を取って、テーブルの上の便箋に、老人にもハッキリ読める様な大きさで、スラスラとある簡単な文字を書いた。