Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
大亀はすぐ寝そべッた。
頬杖ついて、家の中を見まわしていたが、やがて、飯ができると、悠々と掻ッこんで、
「久助、こんな物はもう洗わなくッてもいいや。それより夜逃げ屋を呼んで来い」
「何だい、夜逃げ屋というなあ」
「道具屋だよ。どこかそこらに、古道具屋があるだろう。ぐずぐずしてると、てめえも、お犬小屋一件の御用風に抱きこむぞ」
味噌久を脅して、古道具屋を呼ばせ、世帯一式、付け値の七両二分で、売り払ってしまった。
そのうち、二両を、味噌久へ渡して、
「これだけやるから、てめえはこれを持って、市の字の体を、遊び風呂の丁字屋から請け出して、どこへでも潜りこめ。――おれはおれで、もう少し、草鞋をはいて、一行脚やってくる。何しろ、まだまだ、お犬小屋一件の下手人が出ねえてンで、町奉行は血眼らしい。たのむぜ、久の字」
風の如く、大亀は、町の辻に、彼を捨てて、その姿を消してしまった。
久助はすぐ丁字屋をたずねた。
市十郎は、裏二階から首をのばして待っていた。大亀とおもいのほか、久助が来て、しかもその背に、わが子が負われているのを見て、ぞくと全身の血を凍らせたふうである。