Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lisez 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 260 caractères · 418 écrans
二
――その棒は、いまも直らない。老公のまえに坐っても、棒のままであった。
二
このお相手は、膠も世辞もない。坐ってはいるが、いるだけである。
いつまでも、黙っている。
で、自然、あべこべに、老公のほうから話題を出しては、話しかけるようにならざるを得ない。
「又四郎。退役後は、何して暮らしておるか」
「何もしておりません」
「飽かぬか」
「左様にも思いませぬ」
「勉学は」
「学問はちと飽々です。ほどほどにしようと思いますが、何でも、ほどよくは参らぬもので、抛っております」
「なぜ、学問にあいそがつきたか」
「頭でっかちになり過ぎると、五体のつりあいがとれませんから」
「そこまで、そちは学問をやったか」
「ならないうちに、心がけておりますので」
「卜幽の子にも似あわんの」
「つとめて、おやじには似たくないものと、亡父を鑑にしております」
「どういうわけじゃ」
「儒者などというものは、くだらぬものと心得ますゆえ」
「なぜ、くだらぬ?」
「智ばかりに耽って、行が足りません。事、実行にかかると、だらしがないようです。たとえば、江戸表の彰考館――小石川のおやしきの史館などには、大日本史編纂のお係りとして、当代の学者はほとんど網羅されておるでしょうが、まあ、あの仲間をごらんなさい。