Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

Lisez 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 364 caractères · 178 écrans

Aozora Bunko

へゆけば、秋田平八に会えるだろう。彼に預かってもらった荷物もある。荷物といっても四五枚の着替えと、書物が二十冊ばかりだが――秋田は怒っているだろうな。あんなに云ってくれたのに、おれは『山源』を覗きもしなかった、と幹太郎は思った。

そのとき一人の子供が、この路地の中へはいって来た。

年は七つくらいだろう。襤褸というより布切を集めて体へ縛りつけたような、おそろしくみじめな恰好をしている。この寒さにはだしで、それでも頭には破れた油紙をかぶっていた。

子供は幹太郎を見てぎょっとし、逃げ腰になりながら、狡猾そうな眼ですばやく彼を観察した。

「なんだ、坊や」と、幹太郎が云った。すると、その声で安心したように、子供が近よりながら云った。

「おじさん、雨宿りか」

「うん、まあそうだ」

「むだだぜ」と、子供が云った。

「この雨はやみアしねえ、待ってたってやむ雨じゃありアしねえ、雪になるぜ」

「そうらしいな」

「わかっているのかい」

「そうらしいと云ったんだ」

「ふん、――」

子供は幹太郎のようすを無遠慮に眺めた。ひどくませた、そんな年ごろの子供には似あわない眼つきだった。

「おじさん寒そうだな」