Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

ヨウさんは金持であるが成金ではない。品格もあり学問もあり趣味には殊に富んでいる。わたしの処へ寄越す手紙にはその用件の次第によって時々異った雅号が書かれてあるがそれを見てもヨウさんの趣味と学識の博い事が分る。いつぞやわたしが天明時代の江戸の書家東江源鱗の書帖の事について問合した事があった時ヨウさんはその返事に林檎庵頓首と書いて来た。沢田東江の別号来禽堂から思いついた戯れであろう。自動車が衝突した時見舞の返書に富田塞南と書いて来た事もあった。次に録する手紙に半兵衛とあるのは「口舌八景」を稽古していたためとまた芸者小半の事にかかわっているからであろう。

昨夜はまた/\無理に御引留致しさぞかし御迷惑の段御容赦被下たく候。人生五十の坂も早や間近の身を以て娘同様のものいつも側に引付けしだらもなき体たらく耻し気もなく御目にかけ候傍若無人の振舞いかに場所がらとは申ながら酒醒めては甚赤面の至に御座候。しかし放蕩紳士が胸中を披瀝致候も他日雅兄小説御執筆の節何かの材料にもなるべきかと昨夜は下らぬ事包まずお尋のまゝ懺悔致候次第に御座候。明後日は会社の臨時総会にて残念ながら半輪亭のけいこ休みと致候。