Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

過去の呟きであるが故に愁あるものこれを聞けばかえって無限の興趣と感慨とを催す事あたかも商女不レ知亡国恨。隔レ江猶唱後庭花の趣がある。これまさに江戸俗曲の現代における価値であろう。これは以前からわたしの持論である。ヨウさんは日々職務の労苦を慰める娯楽としては眼に看る書画の鑑賞よりも耳に聞く音楽が遥に簡易である。豊太閤は茶を立てたが茶よりも浄瑠璃がよい。浄瑠璃も諸流の中で最もしめやかな薗八に越すものはない。薗八節の凄艶にして古雅な曲調には夢の中に浮世絵美女の私語を聞くような趣があると述べた。二人の言う処はいずれにしても江戸の声曲を骨董的に愛玩するという事に帰着するのである。

女中が欠伸をそっと噛みしめながら銚子を取替えにと座を立った時ヨウさんは何か仔細らしくわたしの名を呼んだ。そして、「実はこの間からおはなししたいと思っていたのです。あの、小半のことです。小半はどうでしょう。うまくなるでしょうか。みっしり薗八を稽古させて行々は家元の名前でも継がせて見たいと思っているのですが、どんなものでしょう。」

薗八節は他派の浄瑠璃とは異り稽古するものの少いため今の中どうにかして置かなければ早晩断滅しはせぬかと危ぶまれているものである。