Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

」

「そんな事……だしぬけに何を言うのさ。」とびっくりした調子で女は握り合った男の手をそのまま、乳房の上に押当てた。

裏口の引戸を開ける音とともに物干台に出ていた女がどしんと板の間へ降りる物音。つづいて正午のサイレンが鳴り出す。女は思直したように坐り直って、

「もうそんな話、よしましょう。ねえ、あんた。じゃア後で郵便局へ行って来て下さいねえ。」

「うむ。じゃア今の中……飯を食う前にちょっと行って来よう。」男は立上って羽織も一ツに襲ねたまま壁に引掛けてある擬銘仙の綿入を着かけた時、階下から男の声で、

「中島さん。電話。」

「はい。お世話さま。」と返事をしたが、細帯もしめぬ寝衣姿に女の立ちかねる様子を見て、男は襖に手をかけながら、

「おれが出てもいいか。」

「いいわ。懇意な家へは弟がいるといってあるんだから。」

降りて行った男は、すぐさま立戻って来て、「芳沢旅館だとさ。急いで下さいとさ。」

「そう。」と女は落ちている男の細帯を取って締め、鏡台の上の石鹸とタオルとを持って階下へ降りて行くと、男は床の間に据えた茶棚からアルミの小鍋を出し、廊下に置いてある牛乳壜を取ってわかし始めた。