Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

荒木のおばさんはお千代が見舞に行ってから三十分ばかりたって息を引取ったという。しかし二人はこの場合落ちついて死んだ人の話などしている暇がない。天どんを誂えて昼飯をすますが否や、二人は別々に貸間を捜し歩くことにして、その日の夕方荒物屋に帰って来た時、お千代の方は大鳥神社の筋向の横町に米屋の二階をさがし当て、重吉の方は浅草芝崎町の天岳院に日輪寺という大きな寺のあるあたり、重に素人屋のつづいた横町に洗濯屋の二階を捜した。いずれも店に電話があるが、米屋の方は朝鮮人の運転手が二人同居している。洗濯屋の方はお妾さんばかりだというので、二人はこの方へ早速夜具と革包とを運んだ。

「お千代、どうしたもんだな。鏡台に、火鉢に、それから机と茶棚が残してあるんだが、今夜おそくならない中に、様子をききながら取りに行こうかと思っているんだ。」

「そっと電話できいてからにおしなさいよ。警察から人が来たか、どうだか……。」

「今まで来なければまず大丈夫だな。」

「そうとも限らないわよ。去年玉ちゃんのやられた時なんざ二日たってから呼出しが来たんだっていうから。」

「みんな一度はやられているらしいな。