Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
二、三年の後、久しく寡婦でくらしていた女髪結に若い入夫ができた。この入夫が子供嫌いでややもすればおたみを虐待するようになった。塚山のお妾さんはその家におたみを引取り小学校へ通わせていたが、とかくする中、女髪結は浮気な亭主の跡を追って、夜逃同様にどこへか姿をかくしてしまったので、行きどころのないおたみはそのまま塚山さんの妾宅に養われてその娘のようになってしまった。
小学校もいつか卒業間際になった時、同級の生徒の持っていた蟇口が紛失した。確な証拠はなかったが、おたみの様子が怪しいということになって、学校の注意書が妾宅へ送られた。お妾さんはびっくりしてその処置を檀那に相談すると、檀那は「構わないから家で遊ばして置け。」と言った。
この塚山という人はその父から譲受けた或電気工場の持主であったが、普通選挙の実施せられるより以前、労働問題の日に日に切迫して来るのを予想し、早く工場を売卻して、現代社会の紛擾からその身を遠ざけ、骨董の鑑賞と読書とに独善の生涯を送っていたのである。
震災の年おたみは十一になった。丁度小学校をよして裁縫のけいこに通っていた時である。