Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

気がきかなくてデブデブ肥っている位ならまだしもの事生れ付きひどい腋臭があったので嫌い抜いたあまり自然その間に出来た子供にまでよそよそしくするようになった訳である。兼太郎がその頃目をつける芸者は岡目には貧相だと言われる位な痩立な小作りの女ばかり。旅籠町へ遂に妾宅まで買ってやった沢次の外に、日本橋にも浅草にも月々きまって世話をした女があったが、いずれも着痩のする小作な女であった。大柄な女はいかほど容貌がよく押し出しが立派でも兼太郎はさして見返りもせず、ああいう女は昔なら大籬の華魁にするといい、当世なら女優向きだ、大柄な女は大きなメジ鮪をぶっころがしたようで大味だと冗談をいっていたのもそのはず、兼太郎は骨格はしっかりしてはいたが見だてのない小男なので、自分よりも丈の高い女房のお静が大一番の丸髷姿を見ると、何となく圧服されるような気がしてならないのであった。

それこれと当時の事を思い出すにつけて兼太郎は娘のお照が顔立は母に似ているが身体付は自分に似たものかそれほどデクデクもしていないのを見ると共に、あの母親の腋臭はどうなっただろうと妙な処へ気を廻した。しかしそれは折から階下のかみさんが焼き初めた寒餅の匂にまぎらされて確かめる事が出来なかった。