Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
お照は火針へ差かざす手先に始終お燗を注意していたが寒餅の匂に気がついたものと見え、「お父さん御飯はどうしているの。下でおまかないするの。」
「家にいる時はそうするがね。毎日桶町まで勤めに行くからね、昼は弁当だし帰りにゃ花村かどこかで一杯やらアな。」
「お父さん。それじゃ今は勤め人なの。」
「碌なものじゃないよ。お前は子供だったから知るまいが、瓦町の店へ来た桑崎という色の黒い太った男だ。それが今成功して立派な店を張っているんだ。そこへ働きに行くのさ。」
「桑崎さん、覚えているわ。どこだかお国の人でしょう。この頃はどこへ行ってもお国の人ばかりねえ。お国の人が皆成功するのねえ。」
「お父さん見たようになっちゃ駄目だ。御徒町のおじいさんも江戸ッ児じゃないよ。」
兼太郎は話が自然にここへ巡って来たのを機会にその後の様子を聞こうと、「お照。お前母さんがお嫁に行く時なぜ一所について行かなかったんだ。連れ児はいけないというはなしでもあったのか。」
「そうでもないけれど……。」とお照は兼太郎の見詰める視線を避けようとでもするらしく始終伏目になっていたが、「お父さん、もうお燗がよさそうよ。