Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

足の向くがまゝ芝口へ出候に付き、堀端づたひに虎の門より溜池へさし掛り候時は、秋の日もたっぷりと暮れ果て、唯さへ寂しき片側道。人通も早や杜断え池一面の枯蓮に夕風のそよぎ候響、阪上なる葵の滝の水音に打まじりいよ/\物寂しく耳立ち候ほどに、わが身の行末俄に心細く相なり土手際の石に腰をかけ、ただ惘然として水の面を眺めをり候処、突然後より愚僧の肩を叩きコレサ良乗殿。大方こんな事と思ひし故、心配して後をつけて参つたのだ。と申し候は今方木挽町なる後家の許にて別れ候得念なり、得念は愚僧をば身投げにても致す心に相違なしといろ/\に申候末、あたりを見廻し急に言葉を改め、愚僧が懐中に大金を所持致すは、大方山内の宝蔵より盗みし金なるべし。友達の誼みに他言は致さぬ故、半分山分けに致せと申出で候。さては最前風呂より上り、居眠り致候節見抜かれしと思ひ、昨夜の顛末委しく語りきかせ、実はこれよりその屋敷を尋ね、金子を返却致したき趣申聞かせ候へども、得念一向承知せず。果は押問答の末無法にも力づくにて金子を奪取らむと致候間、掴み合の喧嘩に相なり候処、愚僧はとにかく十五歳までは武術の稽古も一通は致候者なれば、遂に得念を下に引据ゑ申候。