Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate

Aozora Bunko

宍戸梅軒との試合はすでにおれが勝った。完全に勝ったと思う。

だが、先刻からの話を聞いていれば、この男の宍戸梅軒というのは後の名で、以前には野洲川の野武士で辻風黄平と称えていた者だとある。そして、自分がかつて打ち殺した辻風典馬とは、兄弟である関係からして、自分をこよい殺して兄の怨霊をなぐさめようという、野武士ずれの男としては、殊勝な心がけを持っている。

生かしておけば、この後もまた、折あるごとに、自分を死へ謀るにちがいない。一身の安全からいえば、殺してしまうに限るが、殺すほどの値打があるかどうか。

「……?」

それを武蔵は考えてみるのであったが、やがて決するところが着いたのであろう、彼は梅軒が寝ている裾のほうへ廻って、その壁の角掛から、一挺の鎖鎌を外して、手に取った。

――梅軒は醒めない。

顔をのぞいて、武蔵は、鎌の刃を、爪でひき出した。青じろい刃と柄が、鉤形になった。

武蔵はその刃へ、濡れ紙を巻いて、そして梅軒のちょうど首の輪のところへ鎌をそっと載せた。

(……よし!)

天井から下がっている風車も眠っていた。もし、鎌の刃に濡れ紙を巻かずにおいて、あしたの朝、この父親の首が枕から落ちていたりなどしたら、この風車は気が狂って廻るだろうと思う。