Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
四
人の乗っているものを奪ってお出でになろうとしても、今もそこの子がいうとおり、理不尽です、そうはなりません」
「おれも、降りない。死んだって、この馬を離すものか」
二人は、しかと、気持を結び合って、梅軒の求めを突っ刎ねた。
四
お通と城太郎のふたりが心を協せて、敢然とそうした態度に出たのは、梅軒にもやや意外ではあったろうが、もとよりこの男の眼から見れば、そんな反抗は、おかしくなるくらいなものだった。
「じゃあどうしても、この馬はおれに譲らねえというのか」
「知れたことだ!」
城太郎の語気はまるで大人のいい草だった。
「野郎っ」と、梅軒が大人げなく喚いたのも、あながち無理ではない。
馬の背へとび上がって、鬣へしがみついている蚤みたいな城太郎を抓んで捨てようとしたのである。いきなり馬の腹にある彼の片足を引っ張った。
こんな時こそ抜くべき物である腰の木剣を城太郎はすっかり忘れているらしい。自分以上の強敵と分っている敵に、脚くびをつかまれると、ただ逆上してしまって、
「かッ! 畜生っ」
梅軒の顔へ向って、続けさまに唾を吐きつけた。
生涯の大変はいつ降って湧いてくるかわからない。