Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
四
おまえはわしに似ていない、わしの眸はかくの如く黒いが、おまえの眸は茶色勝ちである。従祖父の平田将監様の眼は、焦茶色をしていて凄かったといういい伝えだから、おまえはおそらくお祖父さん似に生れたのであろう……と。
うらうらと、朝の陽を、斜面にうけているせいもあろう。それにしても武蔵の眸は、ヒビのない琥珀のように澄んでいて鋭かった。
(ははあ、この男だな)
かねて聞き及ぶところの宮本武蔵という人間を、佐々木小次郎は、いま見ていた。
武蔵もまた、
(はてな、あの男は)
と、注意を怠らない。
彼より射て来るものと、こっちから迫ってゆくものとが、橋の欄と、河べりの枯柳との間で、最前から無言の裡に、お互いの人間の深さを測り合っていたのである。
兵法の場合でいえば――相手の器量を、剣と剣の先でじっと観澄ましているような――阿の息をこらしている時にも似ている。
またさらに、武蔵のほうにも、小次郎のほうにも、べつな疑惑があった。
小次郎にすれば、
(小松谷の阿弥陀堂から連れて来て、自分が今、世話をしてやっている朱実と、あの武蔵と、どういう縁故があって、あんなに親しそうに私語を交わしているのか)