Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
六
と、思うのだった。
膝をかかえて、灰色の海をじっと見ていたと思うと、美少年はまた、
「――京都?」
と、つぶやいて、藤次のほうへ眸を向け直した。
「京都には、吉岡拳法の遺子、吉岡清十郎という人がいるそうですが、今でもやっておりますか?」
六
よいほどに聞いてみれば、だんだん口の幅を広くしてくる。気に食わない前髪めがと藤次は小癪に思う。
けれど考え直してみると、こいつはまだ自分が吉岡門の高弟祇園藤次なる者であることを知らないのだ。知ったらさだめし前言に恥じて、びっくりする奴に違いない。
退屈しのぎが昂じて、ひとつ揶揄ってやろうと、藤次はそこで、
「――されば、四条の吉岡道場も、相かわらず盛大にやっておるらしいが、其許は、あの道場を訪れてみたことがあるか」
「京都へのぼったら、ぜひ一度はどの程度か、吉岡清十郎と立合ってみたいと存じていますが、まだ訪ねてみたことはありません」
「ふッ……」
笑いたくなった。藤次は顔を歪めた後から、軽蔑をみなぎらして、
「あそこへ行って、片輪にならずに、門を戻って来る自信が、あるかな?」
「なんの!」
美少年は突っ返すようにいった。――その言葉こそおかしけれ――とばかり笑い出すのだった。