Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
七
豆腐粕を搾った温湯で洗うとよいと教えられて、武蔵は翌る日、旅籠で一日それを繰り返していた。
(もう今年も師走の中旬)
そう考えると、武蔵は、豆腐くさい湯に焦々してきた。すでに吉岡家へ宛てての決戦状は、名古屋から飛脚に託して出してあるのだ。まさか、その期になって、足を傷めているからなどとは意地でもいえない。
その期日も、敵の都合まかせといってやってある。なお他の約束もあるし、正月の一日までには、どうでも五条の橋だもとまで行っていなければならない。
「伊勢路へまわらず一すじに行けばよかった」
軽い悔いを抱きながら、湯だらいに浸している足の甲を見ていると、足は豆腐のように膨れて来る気持がする。
七
こういう家伝の薬がありますとか、この油薬をつけてごろうじませとか、旅籠の者はいろいろ療法を講じてくれるが、武蔵の足は、日の経つほど腫れを増して、片足はまるで材木のような重さを感じ、夜具の下に入れると熱と激痛に耐えなくなる。
つくづく考えてみると――
彼はまだ物心ついてから、病気というもので三日と寝たことの覚えがない。幼少の時、頭の脳天に――ちょうど月代の辺に疔という腫物を患って、今でも痣のような黒い痕を残しているので、彼は常に月代を剃らないことにきめているが――そのほかに病気らしい病気はしたことがなかった。