Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
おまかせ下さるまいか」
どうやら赤壁八十馬は乗り気になっているらしい。又八は、その就職へありつきたいことは山々だが、佐々木小次郎であると他人の名を借用してしまったことが、どうもまずい。引っこみのつかない不出来だ。
かりに美作の郷士本位田又八と名乗って実際の履歴を話したら、この男も乗り気にはなるまい。鼻さきで軽蔑を与えられるぐらいなところが落ちである。やはり佐々木小次郎の名がものをいったのだ。
――待てよ、と又八は胸のうちで考える。何もそう心配したほどのものじゃないと思う。なぜならば、佐々木小次郎なる者はもう死んでいる人間だ。伏見城の工事場で打ち殺されてしまった人物ではないか。――しかもそれが佐々木小次郎なりとは、おそらく、おれ以外の何者も知っていまい。
死者の所持していた唯一の戸籍証明である「印可目録」は自分が彼の臨終の一言によって預かって来ているので、後で、調べのつこうわけはない。また一箇の乱暴人として、打殺した死者に対して、そんな面倒な調べをいつまでもやっているはずもない。
(分りっこはない!)
又八の頭に大胆な、狡い考えがそう閃めいた。勃然として、彼は、死んだ佐々木小次郎になり切ってやろうと臍を決めた。