Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
と、幼い時に打擲したように、又八の尻をぴしぴし打って、
「よもやもう、この世に生きておろうとも思わなんだに、のめのめこの大坂に生きていくさるとは憎い憎い、ええもう憎い奴よの。なんで故郷へもどって来て、ご先祖様のまつりをせぬか、この母にちょっとでも、顔見せぬか。親類縁者どもが、あれよこれよと案じているのも、われには弁えがつかぬかよっ」
「――お、おふくろ。かんべんしてくれ、かんべんしてくれ」
又八は、嬰児みたいに、母の手の下からさけんだ。
「悪いことは知っている。知っていればこそ、帰れなかったんだ。今日も、余り不意だったのでびっくりして、逃げる気もなく、おらあ駈け出してしまった。……面目ない、面目ない! おふくろにも叔父御にも、おらあただ面目ないんで」
と、両手で顔をおおった。
それを見ると、婆も目鼻に皺をあつめて、すすり泣いた。しかし気丈な老婆は、自分が脆くなるのをすぐ自分の心で叱咤しながら、
「ご先祖の恥さらし、面目ないというからには、どうせ碌なことをしていくさったのではあるまいが」
権叔父は、見るに見かねて、
「もうよかろう、婆、そう打擲しては、かえって又八を拗け者にするぞよ」