Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Leggi 三国志(一) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 309.839 caratteri · 622 schermate

Aozora Bunko

三

劉備が問うと、

「税吏が来て、持って行ってしまった。黄匪を討伐するために、年々軍費がかさむというので、ことしはとほうもなく税が上がり、おまえが用意しておいただけでは間に合わない程になったんだよ」

「婆やが見えませんが、婆やはどうしましたか」

「息子が、黄匪の仲間にはいっているという疑いで、縛られて行った」

「若い下僕は」

「兵隊にとられて行ったよ」

「――ああ! すみませんでしたおっ母さん」

劉備は、母の足もとに、ひれ伏して詫びた。

三

詫びても詫びても詫び足らないほど、劉備は母に対して済まない心地であった。けれども母は、久しぶりに旅から帰ってきた我が子が、そんな自責に泣きかなしむことは、かえって不愍やら気の毒やらで、自分の胸も傷むらしく、

「阿備や、泣いておくれでない。何を詫びることがあるものかね。お前のせいではありはしない。世の中が悪いのだよ。……どれ粟でも煮て、久しぶりに、ふたりして晩のお膳をかこもうね。さだめし疲れているだろうに、今、湯を沸かしてあげるから、汗でも拭いたがよい」

と、蓆機の前から立ちかけた。

子の機嫌をとって、子の罪を責めない母のあまりなやさしさに、劉備はなおさら大愛の姿にぬかずいて、