Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Leggi 土曜夫人 (どようふじん) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.903 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

五

追っかぶせるように、木崎は言って、陽子をにらみつけた。

五

木崎ににらみつけられて、陽子の眉はピリッと動いた。自尊心が静脈の中をさっと走ったようであった。

「じゃ、おききしますが、ダンサーになってはいけないんですか」

「いけない!」

木崎は思わず叫んでいた。

「なぜ、いけないんですの」

「…………」

咄嗟に木崎は答えられなかった。持論だが、言葉にはならなかったのだ。なぜ、いけないのか、その理由はこれだと、昨夜うつしたホール風景の写真――陽子の後ろ姿の、ふと女体の醜さを描いた曲線を、見せるよりほかに、致し方のないものだった。

「あなたはダンサーという職業を軽蔑してるんでしょう……?」

「軽蔑……?」

びっくりしたように、木崎はききかえした。

「ダンサーだって真面目な職業ですわ」

陽子の口調は、新聞記者に語るダンス教師のように、ふと正面を切っていた。

「――ダンサーは労働者と変りはないんです。わたくし達は、三分間後ろ向きに歩いて、八十銭の賃金を貰う労働者です。わたくし達は、一晩のうちに、何里という道を歩くのです。人力車夫と同じ肉体労働者です。真冬でも、ぐっしょり汗をかきますわ」